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加藤厚労相、7月に中日友好病院を視察
WHO幹部ら11人が同行

 
 


7月25日、北京にある中日友好医院を視察する加藤勝信厚生労働大臣およびWHO西太平洋事務局次長・葛西健氏ら11人の一行(厚生労働省より引用)
 

 

[2018/08/13 ]


 
加藤勝信厚生労働相や葛西健・WHO西太平洋地域事務局(WPRO)次長ら日本の一団11人は7月25日、北京の中日友好病院を訪問した。加藤厚労相は、日本人患者も受け入れている国際部などを、院長の紹介を受け視察した。
 
同院8月3日付け中国語の発表によると、加藤厚労相や葛西WPRO次長のほか、省の国際保健担当、在中国日本大使館職員、JICA(国際協力機構)中国事務局長らが同行した。
 
中国側は孫陽・中日友好病院院長、劉鵬副院長、同院の中国共産党委員会・周軍書記らが一行と会談を行った。
 
会談の中の孫陽院長の発言によると、中日友好医院を通じて中国から2000人以上の留学生を日本に派遣しており、東京大学、京都大学など12組織と学術交流し、戦略的な人材育成のための合同協議を締結しているという。
 
病院の発表によると加藤厚労相は、高齢者医療と中医学に関心を示した。加藤氏は、高齢者たちが健康で質の高い生活を送れるような医療技術について、双方の交流を強化する機会として、中日友好医院の役割を期待していると述べた。
 
日本の一行が視察したのは国際部、中医学研究室、遠隔医療とインターネットセンター、CCU病棟など。孫院長みずから施設の見学を案内した。
 
厚生労働省も、この中国訪問について短く発表している。加藤厚労相は今回の訪中で、中国の衛生健康委員会の馬暁偉主任と会談し、葛西氏が出馬する10月のWPRO局長選挙、11月の日中韓保険大臣会合、日中の医療協力の強化について意見交換したという。
 
JICAによると、中日友好医院は日本政府から165億円あまりの無償資金援助を受け1984年に開業した、大型の総合病院。ベッド数は1500、床面積は18万平方メートルに及ぶ。医療の質に信頼のおける病院として北京市民からの評判は高く、1999年から中国の「優秀100院」に選ばれている。2003年SARS流行では、重点病院に指定され患者99%を治癒させたという。最近では、空の管制が厳しい北京でも医療ヘリを飛ばすことを許可された。
 
中日友好病院は臓器移植も行っており、2017年4月には肺移植センターを新設した。2018年6月には、設立から15カ月で肺移植の成功例は100件に達し、一日で4回移植手術を行ったことがあると発表している。また、肺移植について、中国全土で2番目に多く行われていると主張した。
 
日本政府が発展途上であった中国に対して、国づくりを支援する形で、10年以上にもわたり医療技術指導を施してきた中日友好病院の功績は輝かしい。しかし、同院も行っている臓器移植分野は、中国共産党政府の国家ぐるみの人道犯罪とのリンクが長らく指摘されている。
 

2006年ごろから、中国共産党政府は死刑囚、政治犯、思想犯ら収監者から強制的に奪取した臓器を利用しているとの疑惑を、国際人権団体らが10年近く指摘してきた。これに対して、中国衛生部(厚生省)は「でっちあげだ」と否定するが、中国のドナー制度から臓器移植のネットワークには透明性が欠如しており、疑いを払しょくできていない。
 
非政府組織「法輪功迫害追跡国際組織(WOIPFG)」(略称「追査国際」)は7月20日、2017年10月から2018年6月までの中国本土の病院に対する電話調査の結果を報告した。それによると、中国では臓器移植手術の件数が、ドナー数をはるかに上回るという不自然さから、収監者らの臓器の不正使用がいまだに続いている可能性が高いと指摘した。
 
このレポートも、中国の移植病院で、患者が手術するまでの平均待機時間はわずか2週間〜2カ月であるという。中国あるいは海外からの移植希望患者による移植手術の需要に応じて、臓器が摘出される「生きた人間の臓器バンク」が中国国内にはあることを示唆している。
 
日本人は、ビザがなくても中国に15日以内なら滞在できる。また、日本人患者が海外へ渡航し臓器移植することを日本の衛生当局やかかりつけの病院に報告することを義務づける法律はない。
 
中国臓器移植問題を調べる人権弁護士デービッド・マタス氏らの調査では、中国で臓器移植する場合「到着したその日に移植手術したケースもある」と指摘している。このため、日本人がこの15日間で移植手術を行うことも、医学倫理上ありえなくても、中国では可能になる。日本臓器移植学会によると、日本で臓器移植する場合、臓器によるが数年~10数年が待ち時間の平均だ。
 
2008年、国際臓器移植学会(TTS)は「犯罪性から切り離せない海外渡航移植を抑制し、移植臓器は自国で賄う努力をする」を趣旨とするイスタンブール宣言が採択され、日本も署名している。
 
しかしながら、日本の臓器移植の学術研究を取りまとめる日本移植学会は、中国への渡航移植問題について、「一切知らない」との態度を示している。2018年6月末から7月2日、スペインのマドリードで開催された国際移植学会で、イスタンブール宣言の順守状況をみる評議会が開かれた。関係者の取材で、評議会議長に対して、日本移植学会の江川裕人・理事長は「(中国移植渡航にかかわる問題は)一切知らない」「一部の個人やメディアは状況を誤解している」と伝えていたことがわかった。
 
日本人の中国渡航移植は決してゼロではないことを、医療ジャーナリスト・高橋春幸氏は、雑誌「医薬経済」7月号の寄稿記事で書いている。記事によると、高橋氏が2015年10月に接触した、中国への移植をあっせんするコーディネーターは「肝臓移植は毎月複数回、腎臓移植なら2ケタ」と打ち明けた。また、中国で移植手術をした経験者の証言も高橋氏はつづっている。彼らは「月に5,6人が天津の病院で移植を受けている」と現地での様子を述べたという。
 
「臓器強制摘出に反対する医師の会」(DAFOH)代表トルステン・トレイ医師は、医療犯罪が強く疑われる中国への渡航移植を抑制できない、日本の法律の不全を強く懸念している。
 
臓器移植を行った患者は、日本へ帰国後も、引き続き病院で医療措置を必要とする。トレイ医師は「日本の国会は、臓器移植を取り扱う病院や透析センターが、新しい移植患者の受け入れについて報告義務を負うよう法改正するべきだろう。これは渡航移植抑制のために他国でも行われていることだ」と大紀元のメール取材で回答した。
 

(編集・佐渡道世)

 
 

 

 






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