日本の有識者、中国「臓器狩り」に憂慮 法整備へ向け検討会

日本の有識者、中国「臓器狩り」に憂慮 法整備へ向け検討会

2014年7月20日、台湾の法輪功学習者は、臓器狩りのデモンストレーションを行い、問題を周知させようとしている。(Mandy Cheng/AFP/Getty Images)

(大紀元時報日本)9月5日、参議院会館で、「中国における臓器移植を考える会」2回目の会議が開かれた。大量殺人が疑われている中国「臓器狩り」を憂慮する日本の有識者たちは、国内の問題認知率を高め、日本人がこの問題に関与しないよう、国内の移植関連法の制定に向けた動きを進めている。

会議には、発起人である外交評論家の加瀬英明氏、ジャーナリストの野村旗守氏、山田宏・参議院議員と城内実・衆議院議員らが出席した。

21分で知る恐るべき中国医療の真実「メディカル・ジェノサイド」

中国共産党の弾圧政策下にある法輪功学習者をはじめ、収監されている「良心の囚人」から臓器を強制奪取し、国内外の移植希望者に販売する反人道ビジネス「臓器狩り」。中国国家が絡んだ最も深刻で大規模な人道犯罪とされ、同時に、世界でもスポットがあてられていない問題でもある。

2回目の会合では、臓器の移植に関する法律について、具体的な改訂と盛り込む内容を検討。臓器移植を希望する者とあっせん業者は、移植渡航にあたり、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。また▼営利目的とみなされる者▼あっせんにあたり患者の選択を公正かつ適切に判断できないとみられる者には、許可しないことなどを提起した。

また、移植渡航の問題点について改めて議論が行われた。移植ツアーにおいては、日本での担当医師と、海外の渡航医師との連携はなく、カルテや紹介状も交換・情報提供の義務はない。NPO法人の移植ブローカーに大金が支払われるが、適切な手術が行われたかどうかの判断も、日本の担当医は判断が難しく、患者の生命健康を適切に保護できない。 

会議のなかでは、臓器狩り問題についてまとめた、21分のドキュメンタリー映画「メディカル・ジェノサイド」が紹介された。同映画は米ニューヨーク拠点の中国臓器強制摘出調査センター(China Organ Harvest Research Center)が制作。Youtubeなど動画配信サイトで鑑賞できる。

人道犯罪が絡んだ移植ビジネスとして事態を重く見た国は、国民への対応として、すでに法整備を行っている。イスラエル、スペイン、イタリア、台湾では、海外移植ツアーを取り締まる法を制定した。

中国「臓器狩り」に対して、欧州議会および米議会でも厳しく非難する動きがある。2016年7月、欧州議会では、中国での良心の受刑者からの臓器収奪停止に関する宣言書を通過。同年6月、米下院では、中国政府と中国共産党に対して、あらゆる「良心の囚人」から臓器を収奪する行為を即座に停止するよう要求する343号が、全会一致で可決した。

2017年4月、臓器狩り問題調査の第一人者である人権弁護士デービッド・マタス氏は、来日した際に「日本人それぞれが(臓器狩り)問題の認識を高めて、医師らは医療倫理を改善し、立法機関は移植ツアーについての法整備を行うように」と助言している。

出典:大紀元時報日本

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