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中国臓器狩り新報告 共著者デービッド・マタス氏 独占インタビュー(1)

 

 

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中国での法輪功修煉者からの臓器摘出問題に関する調査報告の共著者、人権擁護弁護士デービッド・マタス氏。2007年5月29日、カナダ議会での公聴会で。(大紀元)(Mandy Cheng/AFP/Getty Images)

 

 
 6月22日、中国で国家ぐるみに収容者の臓器を収奪していることに関して調査を続けてきた専門家が、最新の報告書を発表した。これによると、中国の臓器移植件数は年間10万件以上で、これまで150万人が臓器の強制的な摘出で殺害されたという。
 
 大規模な人道犯罪に関するこの報告について、米CNN、カナダ大手紙グローブ・アンド・メール、英高級紙タイムズ、デイリー・メールなど世界で30以上の主要メディアが報道した。英インディペンデントは「中国は無実の修煉者から臓器を奪取=報告」と伝えた。
 
 話題の報告書タイトルは『中国臓器狩り/大屠殺(仮題):最新情報』(Bloody Harvest/The Slaughter:An Update)。共同執筆者は、人権弁護士デービッド・マタス氏、カナダ政府元高官デービッド・キルガー氏、ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏。
 
 大紀元は、ガットマン氏への独占インタビューに続いて、デービッド・マタス氏へも話を聞いた。
 
 マタス氏は今回、政府発表データよりも実数に近いとされる病院データからの移植手術件数を割り出したことを明かした。しかし、「臓器提供元の説明は私たちの仕事ではない。中国政府に説明責任がある」と主張した。
 
 大紀元:この報告書の新しい点と、意義は?
 
 マタス:イーサン・ガットマンと私の調査の最新情報です。新しい情報がどんどん出てきています。 この歴史は進んでおり、今、更新情報をまとめる必要があると感じました。現状の変化を把握し、今後もこの問題に取り組んでいくために、(新報告のまとめは)必要です。
 
 
 中国政府発表ではなく、病院データから手術件数を調べる
 
 新しい点として、 これまでは臓器移植数件数は中国政府が発表した数をそのまま受け入れていましたが、今回は、移植病院のデータから数えました。
 
 およそ1000の病院から移植に関してどのようなことをしているかを、刊行物、ニュースレター、ウェブサイト、研究報告書などから探りました。その結果、推計ですが、公式発表よりはるかに多い移植件数であることがわかりました。
 
 大紀元:調査結果からどんな結論が?
 
 マタス:説明のつかない多くの臓器提供源は、法輪功の修煉者など「良心の囚人」ではないかと考えています。中国政府に説明責任があります。
 
 これほどの多くの病院で相当数の臓器移植が系統的に行われていることに対して、臓器の提供源だけでなく、国と共産党が共謀して、臓器のために良心の受刑者を殺害する全国規模の事業が展開されています。 より深い罪です。
 
 
 様々な情報源から照合、動かぬ証拠に
 
 大紀元:調査結果は、病院での移植件数のまとめですが、実際の数字を基盤としたものでなく、サンプル事例、国家で義務付けた最低数、病床利用率などから推定されたものです。推論に基づいたデータに納得しない者もいるかもしれません。
 
 マタス:もちろん中国のデータを分析するのは簡単ではありません。しかし、情報はあります。私たちの調査員の報告を疑う余地はありません。
 
 例えば、 中国政府は臓器移植は年間1万件としていますが、各病院での臓器移植数を集計したものとは、かなりの差異がありました。どちらが実際の数値なのでしょうか? 別の情報から照合できた、病院のデータの方が実際の数に近いと確信しています。
 
 このように、中国政府が出す数値を唯一の資料源にすることは避け、異なる情報源からの数多くの数値を補強証拠として合わせました。
 
 一方で、病院からの大量の移植件数について、信ぴょう性を問う声もあります。「たがいに自慢しあうための架空の数字なのではないか」と。私はこの疑惑を否定します。 理由の1点目は、水増しの数字とするには、似たような数が多すぎるということ。2点目は、数字だけでなく、病床、研究報告、ニュースレターなどの異なる情報源を調べて得た数字であるということです。
 
 ですから、これまでの中国政府発表の数値に基づく調査より、病院データの調査方法で得られた数値の方が、確証があります。
 
 しかし、最終的にこの点は重要ではありません。臓器の提供源を説明するのは私たちの仕事ではありません。中国政府の責任です。これは私の個人的な見解でなく、国際社会、人権擁護派の見解です。中国政府は臓器の提供源を説明する必要があります。この報告書はさらにこの点を浮き彫りにしています。
 
 

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2011年5月11日、サンディエゴ大学の平和と公正のためのジョアンB.クロック・インスティチュートで発言する国際人権擁護弁護士デービッド・マタス氏(Alex Li/大紀元)(Mandy Cheng/AFP/Getty Images)

 
 
  中国側の二通りの応対「でっちあげ」と「隠蔽」
 
 大紀元:データにはどれほどの差異があるのですか?
 
 マタス:中国側が出している数字は疑しいものです。中国政府にとって、統計は政治的工作の手段です。正確なデータを反映するものではありません。「いかに技術が進歩しているか」とアピールするための数字です。
 
 この数字はどこから来るのかと疑問を投げかければ、中国政府は応酬するでしょう。その数字を貫くために、新たな数字を作り始めます。
 
 調査の当初、中国政府は、臓器は自発的な提供によるものだと主張していました。中国には臓器の提供・割り当ての制度はなく、臓器提供元は死刑囚だといいました。しかし、いまだに死刑執行の数は公表されていません。
 
 死刑囚から臓器を摘出することは国際倫理を侵害しています。このため、再び、臓器は自発的な提供によるものだという当初の主張に戻りました。そして、臓器提供制度が設置されました。
 
 今回の調査で新たに、臓器移植手術を行う病院に調査員が電話を入れました。しかし、病院は閉鎖されているか、臓器提供は受付していない状態でした。つまり中国側の言い分は口先だけだったのです。
 
 このように、中国政府の統計は、独立して検証できないようなものなのです。
 
 中国の高官の反応は2つに分けられます。ひとつは「でっちあげ」、もうひとつは「隠蔽」です。この問題を10年調査し続けてきましたが、閲覧した情報は引用するたびに消えました。今回の調査でも、病院の資料源は消えていきました。一度報告されれば、その情報源は消されていきます。
 
 隠蔽に関しては、私たちは説明を求めてきました。私の見解ですが、説明はつかないでしょう。すべてがデタラメですから。
 
 「無限」のドナー 提供元不明のまま成長する巨大マーケット
 
 大紀元:今回の調査結果で驚かれたことはありますか?
 
 マタス:私の国の人口は3200万人で私の住む年は人口75万人です。中国の規模の大きさに驚いています。
 
 今回の調査にあたり、調査員は、臓器移植を行っている病院の写真を集めました。中国での臓器移植は巨大産業です。そして比較的新しいものです。
 
 明確な臓器提供源がないのに、なぜ臓器移植用の施設をたくさん作っているのでしょうか? 将来も移植手術が続くと確信しているから、これほどの多くの資本を投じているのでしょう。臓器が「無限」に提供されるわけですから。
 
 臓器はどこから来るのでしょうか? 拘束され、失踪している数百万の法輪功の修煉者と、私は考えます。中国の病院から、ほかに納得のいく回答は得られません。
 
 大紀元:使用された資料が、中国で実際起こっていることを反映しているという確証はありますか? プロパガンダや宣伝などかもしれなせん。中国でのインフラ開発には無駄が多く、地方政府のGDPを釣り上げるためのでっちあげなど、施設が実際に使われていないこともあります。
 
 マタス:施設自体は何も語りません。ですから多くの照合確認を行ったのです。
 
 これらの施設に勤める人がいて、ニュースレターが発行され、職員は刊行物を読み研修します。多くの中国での研究は、通常の(国際的)学術誌には発表されません。倫理的にもとるからです。見直されることなく、虚栄に満ちた研究論文が載っています。これらの資料は入手可能です。この著者には学位があります。
 
 空っぽの施設かもしれません。でも、職員が雇用されているので、なかで何もせず調査員のためにカモフラージュをしているとも思えません。多くの照合できる事実が合わせられ、ここは機能する巨大事業であることが示されます。
 
 共産党の五カ年計画で、病院の建設は優先的な事業としてあげられています。だから中国政府が何もしないとは思えません。このような多くの照合された事実が、結論を導きます。
 
 中国臓器狩り新報告 共著者デービッド・マタス氏 独占インタビュー(2)へ続きます。
 
 デービッド・マタス 弁護士。カナダのウィニペグ市生まれ。米オックスフォード大学で法学士号を取得。国連総会カナダ代表団のメンバー、国際人権と民主発展センター長、カナダ憲法・国際法律条例主席などを歴任した。
 
 2009年、人権活動によりカナダ総督より民間に授与される最高栄誉であるカナダ勲章を受賞。中国臓器摘出の独自調査が評価され、共同調査するデービッド・キルガー元カナダ政府アジア太平洋地域大臣とともに、2010年、2016年のノーベル平和賞に推薦された。
 

(翻訳編集・阿部慶子)

 
 
( 転載:http://www.epochtimes.jp/2016/07/25845-2.html )
 
 
 
 






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